インビザラインのデメリット・メリット|後悔しないために注意点を知っておこう!

世界中で多くの治療実績があり、治療中も目立ちにくい「インビザライン」を使った歯列矯正を検討中の方は多いでしょう。しかしインビザラインにはメリットだけでなくデメリットもあります。この記事でデメリットの中身をくわしくお伝えするので、後悔しないためにインビザラインの注意点も知っておきましょう。
インビザラインとは「マウスピース矯正治療」のうちの1つ
そもそもインビザラインとは、マウスピース矯正治療のブランドのうちの1つです。歯列矯正の方法は主に「マウスピース矯正」「ワイヤー矯正」「裏側矯正」の3つにわかれます。まずはそれぞれの特徴を簡単に紹介しましょう。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、本来の歯の位置から微妙にズレを生じさせたマウスピースを装着し、少しずつ歯を動かす矯正方法です。透明で目立ちにくいこと、自分で取り外しできることなど、後述するワイヤー矯正のデメリットを解消できます。ただし、治療できる範囲が狭いなど、いくつかのデメリットがあることも把握しなければなりません。
ワイヤー矯正とは
ワイヤー矯正はごく一般的な矯正方法で「ブラケット」と呼ばれる矯正装置を歯の表面に取り付けて歯を動かします。マウスピース矯正では対応できないほど重度な症例でも治療できる場合がある点はメリットですが、見栄えの悪さが欠点です。口を開けた際に銀色の矯正装置が見えるため、敬遠している人も見受けられます。
裏側矯正とは
裏側矯正とは、ワイヤー矯正で使うブラケットを歯の裏側に取り付ける矯正方法です。表側のワイヤー矯正と同じ効果を発揮しつつ、矯正装置が目立ちにくいことがメリットといえます。ただし、マウスピース矯正やワイヤー矯正と比べて費用相場が高くなりやすいことがデメリットです。
インビザラインの7つのデメリット・注意点
インビザラインのデメリット・注意点として知っておくべきなのは以下の7点です。
<インビザラインのデメリット・注意点>
- 歯並びによっては治療が難しい
- マウスピースをつけるだけではない
- 装着時間を守る必要がある
- 食事が気軽にできない
- 噛み合わせが悪化する恐れがある
- 装置を作り直す可能性が高い
- 虫歯や歯周病があると治療できない
各項目をくわしくチェックしていきましょう。
①歯並びによっては治療が難しい
インビザラインのみならず、マウスピース矯正全体の欠点となるのが治療できる範囲の狭さです。歯並びや歯・歯茎の状態により、インビザラインでは治療が難しいケースがあります。とくに以下に該当する方の場合、インビザラインだけでは歯列矯正できない可能性が高いでしょう。
<インビザラインでの治療が難しいケース>
- 叢生(そうせい)の程度が重度のケース
- 受け口や出っ歯の程度が重度のケース
- 骨格のずれが重度のケース
- 抜歯の数が多い、または抜歯の場所が特殊なケース
- デンタルインプラントが入っているケース
上記に該当する場合は、インビザラインの前に外科手術を行う、もしくはインビザラインと併用してワイヤー矯正・裏側矯正を行うといった方法で歯列矯正を行いましょう。
②マウスピースをつけるだけではない
インビザラインは、マウスピースをつけるだけで矯正できるとは限りません。すぐにマウスピースを作成・装着できるケースもありますが、以下のような場合は歯を削ったり、抜歯をしたりといった治療が必要な場合があります。
<インビザラインの前に歯を削る・抜歯をする可能性があるケース>
- 叢生量(歯の重なり)が大きいケース
- 受け口や出っ歯で前歯が噛み合っていないケース
- 骨格のずれがが原因で上下奥歯の前後的なずれがあるケース
多数本の抜歯が必要な場合には抜歯を何回かに分けて行う必要があります。全ての抜歯部位の経過観察や縫合が必要となった場合の抜糸が完了するまでに1ヶ月以上の期間を要することになり、スムーズに矯正治療へと進めない可能性があります。
③装着時間を守る必要がある
インビザラインは、1日あたり20時間以上装着しなければ効果を発揮しません。定められた装着時間を守らないと、予定どおりの期間では治療が完了しないため注意しましょう。取り外したまま眠ってしまったり、マウスピースを紛失して長時間装着できなくなったりすると、治療のやり直しが必要になる場合もあります。
④食事が気軽にできない
インビザラインで使用するマウスピースは、飲食の際に取り外すのが原則です。マウスピースを装着したまま飲食すると、マウスピースと歯の間に糖分が停滞し虫歯の原因になったり、マウスピースが変色・変形したりする恐れがあるため注意しましょう。
この原則は間食やちょっとしたコーヒータイムにも守らなければなりません。とくに外出中は面倒に感じたり、人前でマウスピースを外すことに抵抗を感じたりする可能性があります。
⑤噛み合わせが悪化する恐れがある
インビザライン矯正により、むしろ噛み合わせが悪化する恐れもあります。マウスピースの厚みが奥歯に当たり、強い圧力が加わると、奥歯が沈み込む可能性があるためです。噛み合わせのバランスが悪くなり、予定よりも大幅に治療期間が延長する可能性があります。
⑥装置を作り直す可能性が高い
インビザラインでシミュレーション通りに歯が動かなかった場合や、何らかのアクシデントが発生した場合は、装置を作り直す必要があります。インビザラインの患者のうち約8割の方が治療途中でマウスピースを作り直しており、作り直しの可能性が高いといわざるを得ません。治療に手間と時間がかかる場合があることも理解したうえで、インビザラインの利用を検討しましょう。
虫歯や歯周病があると治療できない
歯周病の症状がひどい場合、歯を支えている骨が溶けてしまっている可能性があります。この状態のままインビザラインを行うと、歯が圧力に耐えきれず抜けてしまうかもしれません。
歯周病が進行している場合、インビザラインだけでなく、ワイヤー矯正・裏側矯正の実施も不可能です。また、虫歯が見られる場合も治療が完了するまで歯列矯正を行えません。
マウスピース矯正治療中に虫歯の治療をすることになると、歯の形が変わるため、マウスピースが装着できなくなります。新しいマウスピウース到着までにせっかく動かした歯が戻ってしまい、治療期間が伸びてしまうこともあります。
あらかじめ歯周病・虫歯を治療してからインビザライン矯正を行うことになります。
インビザラインの5つのメリット・利点
インビザラインにはデメリット・注意点もありますが、以下に代表されるメリット・利点があることも事実です。
<インビザラインの5つのメリット・利点>
- 装置が透明なので目立ちにくい
- 1,200万の治療実績をもとに日々改良されている
- 治療計画を事前にシミュレーションできる
- 自分で取り外しができる
- 痛みや違和感が少ない
各項目をわかりやすく解説していきます。
①装置が透明なので目立ちにくい
インビザラインを含めマウスピース矯正を利用する最大のメリットは、装置が透明で目立ちにくいことです。これまで一般的だったワイヤー矯正は、口を開けた際に銀色の矯正装置が露出するため、見栄えの悪さがデメリットでした。マウスピース矯正は口を開けても装置が目立ちにくく、人前で仕事をする人でも見た目を気にせずに歯列矯正を行えます。
②1,200万の治療実績をもとに日々改良されている
インビザラインは、2022年2月時点で1,200万人を超える患者から利用されています。提供されている国の数は100ヶ国以上を数え、日本人を含むさまざまな人種の方がインビザラインで治療を受けていますが、重大なトラブルは報告されていません。
インビザラインの登場は1999年にさかのぼり、過去の治療実績をもとに日々改善しながらサービスを提供しています。より良い治療結果や安全性を第一にマウスピース矯正を受けたい場合は、マウスピース矯正のなかでももっとも多くの実績を持つインビザラインの利用がおすすめです。
③治療計画を事前にシミュレーションできる
インビザラインの治療には「クリンチェック」というシミュレーションソフトを使用します。これは口腔内のデジタルデータから歯の動きをシミュレーションできるソフトウェアで、治療完了後の歯の様子を事前に確認可能です。
クリンチェックは治療期間中にも使用し、シミュレーションしたとおりに歯が動いているかどうかの確認もできます。思うように歯が動いていないなど、何らかの異常がある場合は素早く察知できるため、速やかに軌道修正ができる点もインビザラインのメリットです。
④自分で取り外しができる
マウスピース矯正ではは自分自身で自由に装置の取り外しができます。ワイヤー矯正の場合は取り外しができず、万が一外れてしまった場合は歯科医師によ処置が必要です。治療中の自由度が高いこともマウスピース矯正の魅力といえるでしょう。
矯正治療中に食事がしにくくならないか不安という方も、インビザライン含むマウスピース矯正なら装置を取り外せるため矯正開始前と同じ状態で食事ができ、味覚も変わりません。ワイヤー矯正と比べて歯みがきも通常どおりでき、装置のマウスピースそのものを洗ってメンテナンスできるため、衛生面でもメリットがあります。
⑤痛みや違和感が少ない
インビザライン矯正で使うマウスピースはとても薄く、舌や唇を圧迫しません。そのため、装着中に痛みや違和感を覚えることは少ないでしょう。万が一、装置の先端が尖っていてチクチク刺さるという場合は、自分で爪やすりを使って削ったり、歯科医院で微調整を受けたりすることで解消できます。
まとめ
インビザラインにはいくつかのデメリットもあります。歯並びによっては治療が難しい場合もあるため、まずはインビザラインで矯正できるかどうかを歯科医院で調べましょう。インビザラインのデメリットとメリットをどちらも把握して、ワイヤー矯正などの選択も視野に入れながら、自分に合った治療法を選んでください。
大阪オルソは女性専用のマウスピース矯正専門医院です。北浜院は完全貸し切りなので「通院している様子を他人に見られたくない」など、女性特有のお悩みやご希望にも対応できます。一人ひとりの患者様を大切にするため1日の診療数を制限していますが、医療法人として多数のインビザライン症例実績がありますので、どうぞ安心してご来院ください。
著者:医療法人梅田リンガル
理事長 谷木 俊夫