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透明で目立たない矯正装置はある?マウスピース矯正やホワイトワイヤーについて解説

頬杖して考える女性

矯正治療を考える際、気になるのがその見た目です。最近ではきれいな歯並びに対して関心が高まり、大人になってから矯正治療を始める方も増えています。

 

しかし、治療を行うなら透明で目立たない矯正装置をつけたいですよね。本記事ではマウスピース矯正やホワイトワイヤーを使った表側矯正など、見た目が目立ちづらい治療法についてくわしく解説していきます。

 

歯並びがよくなることで口元の美しさはもちろん、健康面のメリットも増えるので検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

 

透明に近い目立たない矯正方法は3種類ある

鏡で口元を確認する女性

矯正のイメージといえば、金属のワイヤーを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか?実は目立たない矯正装置は3種類あります。

 

【目立たない矯正装置の種類】

  • マウスピース矯正
  • ホワイトワイヤー矯正
  • 裏側矯正

 

それぞれの特徴は以下のとおりです。

 

マウスピース矯正ホワイトワイヤー治療裏側矯正
費用約70~120万円約100万円約110~180万円
期間約4年約4年半4
目立ちにくさ
メリット・取り外し可能
・透明なので目立ちづらい
・治療時のストレスが少ない
・歯の色になじみやすい
・適応症例が多い
・表からは見えない
・前歯が引っ込みやすい
・舌癖防止になる
デメリット・自己管理が必要
・適応症例が限られる
・装着中の制限が多い
・歯磨きがしづらい
・ワイヤーの白いコーティングが剥がれることがある
・表側矯正よりも高価
・滑舌に影響する場合がある

 

ここに挙げた費用や期間は、全顎的な矯正で保定期間も含めた場合の目安です。メリットデメリットもそれぞれに違いがあるので順番に解説していきます。

 

目立たない矯正方法①:透明マウスピース矯正

マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、名前のとおりマウスピース型の装置を装着し歯並びを整えていく矯正治療です。透明度が高く、見た目も目立ちづらい素材で作られています。

 

マウスピース型装置の種類はいくつかありますが、なかでも主流となっているブランドは「インビザライン」です。世界で1,200万人以上を超える治療実績があり、その蓄積されたデータからさまざまな改良が加えられ、日々更新されています。

 

部分的な矯正も可能になっており、マウスピースを上下7セットまたは14セットで動かせる範囲での治療、大臼歯を動かさずに20セットで動かせる範囲での治療の中から選択することができます。

 

透明マウスピース矯正の費用相場・治療期間

マウスピースを手にする女性

マウスピース矯正の具体的な費用相場は全顎矯正の場合約70〜120万円です。治療期間は平均で全顎矯正が約2年、部分矯正は約1年で終了しますが、マウスピースを装着する時間が短い場合や歯並びの状態によっては治療期間が長引いてしまったり、それにともなって治療費が高くなったりする可能性があります。

 

また治療後は、後戻りを防ぐ「リテーナー」という装置を約2年つける必要があります。「せっかく矯正治療が終わったのに……」と感じる方もいるかもしれませんが、装着しないと矯正する前の状態に戻りやすくなるため、歯に正しいポジションを覚えてもらうための重要な期間であることを理解しておきましょう。

 

透明マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて以下のようなメリットがあります。

 

  • 取り外しが可能……ワイヤー矯正は固定式に対してマウスピース矯正は自分で取り外しが可能です。食事や歯磨きは普段どおりでき、マウスピースは洗浄できるため衛生的に保てます。

 

  • 透明なので目立ちづらい……透明度の高い素材のため、見た目が目立ちづらく矯正していることを他の人に気づかれにくいのも特徴の1つです。

 

  • 治療時のストレスが少ない……ワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が少なく、装置の脱落の心配もないため治療時のストレスが少なく感じられるでしょう。また、金属を使用していないため金属アレルギーがある方も安心して行えます。

 

透明マウスピース矯正のデメリット

口に手を当てる人

ワイヤー矯正に比べてメリットが多いように感じますが、デメリットもあります。

 

  • 自己管理が必要……マウスピース矯正の装着時間は、1日20時間以上が理想とされています。取り外せることをメリットに挙げましたが、装着時間は自己管理しなくてはなりません。基本的に食事と歯磨き以外の時間は装着し、紛失しないよう注意しましょう。

 

  • 適応症例が限られる……骨格的な問題が大きい歯並び(極度な出っ歯や受け口など)や第1小臼歯以外の抜歯をともなう矯正には適応が難しい場合があります。

 

  • 装着中の飲食の制限が多い……色の濃い飲食物や硬い食べ物はマウスピースの黄ばみ汚れや破損の原因になります。また装着したままの飲食は虫歯の原因にもつながるため、食事のシーンでは基本的に外しましょう。

 

目立たない矯正方法②:ホワイトワイヤー矯正

歯を出して微笑む女性

一般的な表側矯正のワイヤーは金属色ですが、その金属ワイヤーを白くコーティングしたものがホワイトワイヤー矯正です。マウスピース型装置のように透明ではありませんが、通常のワイヤーよりもかなり目立ちにくいものです。

 

そしてもう一つ気になる点として挙げられるのは、ワイヤーを通すためにつけるブラケットという装置が目立つことでしょう。現在の矯正治療では一般的に想像する銀色の金属ブラケットだけでなく、透明のプラスチック素材や白いセラミック素材も選択できる医院が増えました。そのため、ホワイトワイヤーと組みあわせることで審美性の高い治療が可能です。

 

ホワイトワイヤー矯正の費用相場・治療期間

歯の模型とバインダー

ホワイトワイヤー矯正のような表側矯正の費用相場は約60万円~100万円と価格幅があり、審美的な装置を使用するほど高くなる傾向にあります。しかし、通常の金属ワイヤーとホワイトワイヤーを同じ料金で設定している医院もあるため、その価格設定はさまざまです。

 

治療期間は平均して2年程度で、部分矯正の場合は治療範囲によって異なります。治療後はマウスピース矯正と同様、リテーナー装置を使って約2年保定期間が必要です。

 

ホワイトワイヤー矯正のメリット

ホワイトワイヤー矯正にもマウスピース型装置のように見た目や機能面のメリットがあります。

 

  • 歯の色になじみやすい……ホワイトワイヤーが白いので歯の色になじみやすく、透明のブラケットやセラミックブラケットの使用でさらに目立ちづらくなります。

 

  • 適応できる症例数が多い……表側矯正の最大のメリットは、他の矯正治療では困難な歯並びにもほぼ適応できることです。ホワイトワイヤー矯正も表側矯正なので同様の適応範囲といえます。

 

ホワイトワイヤー矯正のデメリット

大抵の症例に適応できるホワイトワイヤー矯正ですが、メリットに絡んだデメリットもあります。

 

  • 歯磨きがしづらい……対応できる症例が多いものの、固定式の装置という構造は変わっていません。そのため、食べ物がつまりやすく歯磨きが難しいです。

 

  • ワイヤーの白いコーティングが剥がれることがある……歯磨きや食事の摩擦でワイヤーの白いコーティングが剥がれ、見た目が目立ってしまうことがあります。気になった際は医師に相談しましょう。

 

  • 摩擦抵抗で歯の動きが遅くなる……コーティングの塗料とブラケットに摩擦抵抗が生じるので、コーティングなしのワイヤーに比べて歯の動きが遅くなる傾向にあります。また同じ太さのワイヤーでもコーティングの厚みがある分ワイヤーが細くなり、歯にかかる力が弱くなることで歯の動きが遅くなることもあります。

 

目立たない矯正方法③:裏側矯正

女性の唇

裏側矯正とは歯の裏側からブラケットとワイヤーをつけて歯並びを整える矯正治療です。表側矯正と同様、装置は固定されるので歯が確実に動きます。

 

裏側矯正の費用相場・治療期間

歯の模型と電卓

費用相場は約150万円と矯正治療のなかでは一番高額です。治療期間は約3年と言われていますが、裏側矯正に慣れている医院だと他の装置と治療期間は変わりなく約2年です。部分矯正や治療方法などによってはさらに期間が短くなるケースもあります。また、裏側矯正も治療後のリテーナー装着が約2年必要です。

 

裏側矯正のメリット

先に述べたマウスピース矯正やホワイトワイヤー矯正と比較したメリットをみていきましょう。

 

  • 表からは見えない……裏側に装置をつけるため、他の人の視線を気にせず矯正治療できることが最大のメリットといえます。

 

  • 前歯が引っ込みやすい……装置が裏側にあることから、歯を後方へ引き込むことを得意とした治療法です。出っ歯など出ている前歯を後方へ移動する場合にも有効な方法といえます。

 

  • 舌癖防止になる……裏側に装置があることで、舌癖を改善できる可能性があります。舌で歯を押す癖があると、前歯が前方へ傾いてしまい出っ歯や開咬、後戻りの原因になるため治療中に正しい舌の位置(スポットポジション)を医師から教わりましょう。

 

裏側矯正のデメリット

裏側矯正の模型

他の人に気づかれず矯正治療をしたい方におすすめですが、デメリットも確認しておきましょう。

 

  • 表側矯正よりも高価……裏側矯正は専用の装置が必要となり、その分費用が高くなります。また、医師の専門的な技術も必要になるため、費用には技術料も含まれます。

 

  • 滑舌に影響する場合がある……装置が舌に触れるため発音しにくくなることがあります。慣れてくればいつもどおりの発音が可能です。

 

まとめ

目立たない矯正装置について3種類ご紹介しました。費用や治療期間、またメリットデメリットなどそれぞれに違いがあるため、すぐに結論を出すのは難しいですよね。

 

たとえば女性の場合、見た目の印象が気になる、結婚式などのイベントを控えているといった方もいるかもしれません。その場合は、取り外せるマウスピース矯正や見た目でわからない裏側矯正の方がストレスなく治療ができるでしょう。矯正医に相談しながら自分に合った装置を選びましょう。

 

大阪オルソは、女性専用のマウスピース矯正専門クリニックです。「見た目を気にせず歯列矯正をしたい」という成人女性の治療に特化し、丁寧なカウンセリングとデータから患者様に合ったオーダーメイドの治療をご提案します。歯並びが気になる方はぜひ一度ご相談にいらしてください。

 

著者:谷木俊夫

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