公開日: 最終更新日:

マウスピース矯正の7つのデメリット|ワイヤー矯正と比較したメリットも解説

歯の模型とマウスピース

従来の矯正治療はワイヤー矯正が一般的でしたが、ワイヤーの金具部分が目立つ矯正を避けたい方や金属アレルギーをお持ちの方は治療することが出来ませんでした。そこで登場した新しい矯正方法がマウスピース矯正です。

 

マウスピース矯正は見た目がいいことはもちろん、取り外しできるなどのメリットがあります。しかしメリットだけでなく、当然デメリットも存在しますので注意しましょう。

 

本記事ではマウスピース矯正のデメリットを中心に、ワイヤー矯正と比較しながら解説していきます。

 

矯正治療を失敗しないために、この記事を読んでワイヤー矯正との違いやメリット・デメリットをしっかり理解してから、マウスピース矯正治療を検討してみましょう。

 

マウスピース矯正とは?

マウスピースを歯にはめる女性

マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の装置を装着し、歯並びを整える矯正治療です。矯正装置が目立たず周囲の人に気づかれにくい点が特徴です。治療は永久歯が生えそろってから行うケースが一般的で、部分矯正や全体矯正ができる装置など様々な種類があります。

 

ワイヤー矯正との違いは?

ワイヤー矯正は歯面にブラケットという装置を接着し、そこにワイヤーを通して矯正力を加えながら歯を動かしていきます。マウスピース矯正よりも歴史の長い矯正方法です。

 

マウスピース矯正とワイヤー矯正の一番の違いは見た目であり、透明のマウスピース矯正の方が目立ちにくいという特徴があります。また自身で取り外しが可能なマウスピース矯正に対して、ワイヤー矯正は「固定式装置」のため、一度付けたら治療終了までほとんど外さないのが一般的です。

 

インビザラインとは?

マウスピースケースに入ったマウスピース

インビザラインとは、マウスピース矯正のブランドの一つであり、その装置の名称を指します。世界で1,100万人を超える方が治療を受けた実績があり、現在は日本でも2,000以上の歯科医院で取り扱われています。

 

一般的なマウスピース矯正は永久歯のみに対応しており、マウスピース矯正の種類によっては部分的な矯正しか対応できないものもあります。しかし、インビザラインはお子様から成人の方まで幅広く対応でき、全体治療も可能であるという特徴があります。また、ワイヤー矯正と同じように抜歯を伴う治療などより難しい噛み合わせの改善もできるため、画期的な矯正装置といえるでしょう。

 

それぞれの違いを踏まえて、本題であるマウスピース矯正のデメリットについて解説していきます。

 

マウスピース矯正の7つのデメリット

ワイヤー矯正をした女性がマウスピースを持っている様子

ここからはマウスピース矯正の7つのデメリットについて紹介していきます。

 

矯正装置は治療期間も長いため、そのリスクもしっかり理解したうえで治療を検討しましょう。

 

➀適用できる症例が多くない

現在のマウスピース矯正は、部分矯正・全顎矯正どちらにも適している治療を行うことができますが、適用できる症例が限られているのがデメリットといえます。

 

デコボコした歯並びや出っ歯・受け口など症状が重度の場合や、骨格自体を調整する外科手術が必要になる場合にはマウスピースだけでは対処できません。

 

しかし、多くの場合はマウスピース矯正で治療が可能なことが多いので、まずは適用できる症例なのか相談してみましょう。

 

➁20時間以上装着しないと効果が出にくい

時計

マウスピース矯正は、最低でも1日20時間以上は装着する必要があります。取り外したまま装着を忘れている時間が長いと、治療効果が薄くなってしまう点がデメリットです。

 

取り外しできる点はデメリットでもありますが、食事の際は取り外して違和感なく味わうというメリットでもあります。ワイヤー矯正の場合は、ブラケットとワイヤーの間に食べかすが挟まりやすく食事を楽しめない可能性もあります。

 

やはり外している時間が長いと効果が十分に発揮できないため、安定した矯正力という観点ではワイヤー矯正の方が安定しているといえるでしょう。

 

最初は装着に違和感をおぼえるかもしれませんが、慣れてくれば長時間装着していることに抵抗を感じなくなります。治療効果を最大限発揮するためにも、1日20時間以上の装着は心がけましょう。

 

➂奥歯の噛み合わせが悪くなることがある

大きく開けた子供の口内

1日20時間以上マウスピースを装着すると、奥歯の噛み合わせが悪くなることがあります。前歯などの矯正のために装着しているマウスピースの厚みが、奥歯に当たり正常だった奥歯が沈み込むケースもあります。

 

装置自体は薄く作られていますが、外した状態との噛み合わせは異なるため、矯正後に噛み合わせが悪化する場合があるのです。

 

ちなみに、ワイヤー矯正中も奥歯が嚙み合わなくなることがあります。基本的にはズレが起きないように矯正医が調整していくのですが、このようなデメリットがある旨を理解しておきましょう。

 

➃歯根が露出する恐れがある

マウスピース矯正中に歯根が露出する恐れがあります。

 

考えられる理由は以下の3つです。

 

  • 歯磨きが十分に行き届かず歯周病になり、歯を支える骨(歯槽骨)が下がり歯肉退縮する
  • 治療計画に歯の根を顎骨の外に出す移動が組み込まれて、歯根が骨からはみ出してしまい歯肉退縮する
  • 治療中に何らかの理由でマウスピースと歯との適合が悪くなり、一部分だけ集中的に負荷がかかることで歯が意図しない方向に動き歯肉退縮する

 

どれも歯根が歯を支える歯槽骨から出てしまうことで歯肉退縮してしまいます。これはワイヤー矯正にも起こりうることです。

 

矯正医の力量も関係するため、その先生の症例数や実績などもみながら矯正歯科を選びましょう。また定期的な歯磨き指導やクリーニングを行い、むし歯・歯周病予防をすることも重要です。

 

➄歯を削るケースがある

矯正で歯並びを整えるうえで、歯をきちんと並べるためのスペースを作る必要があります。マウスピース矯正の際には、歯を削る場合もあります。

 

ちなみに、ワイヤー矯正の場合は歯科矯正用アンカースクリューで大臼歯を遠心移動して歯を並べるスペースを確保することもできます。

 

健康な歯を削ることは避けたいところですが、実際は歯の表面であるエナメル質を1歯につき0.25mm削る程度です。削るというより「薄く研磨してスペースを確保する」というイメージですが、削ることに変わりはないので、理解しておきましょう。。

 

➅飲食時は外すので面倒

乾杯をする食卓

マウスピース矯正はシーンに合わせて自由に取り外しが可能な反面、食事や歯磨きの際は外すのが面倒です。

 

マウスピース装着時は原則、食事は避ける必要があります。飲み物は水や白湯など着色しないものに限られるので注意が必要です。

 

装置を付けたまま飲食をすると、マウスピースが着色されてしまいます。またマウスピースに汚れが付着すれば、むし歯・歯周病のリスクが上がるリスクもありますので、マウスピースを外して飲食を行とよいでしょう。

 

ちなみにワイヤー矯正も、歯面に接着するブラケット装置がプラスチック素材の場合、着色物により黄ばみの原因になってしまいます。

 

➆紛失しないように注意が必要

ゴミ箱とゴミ収集車の模型

マウスピースを外す際は紛失に十分注意しましょう。無くしてしまうと、新しく製作するのに必要な追加料金がかかります。また、作り直してから出来上がるまでの期間も必要なため、それまではマウスピースを装着できない状態になり、歯列矯正治療の遅れの原因になります。

 

「ティッシュにくるんで置いていたら、間違えて捨ててしまった」というケースも考えられるので、専用ケースを持ち歩くなど、自己管理を徹底しましょう。

 

マウスピース矯正の3つのメリット

歯の模型とマウスピース

これまでデメリットについてお伝えしてきましたが、マウスピース矯正にはもちろんメリットもあります。こちらもワイヤー矯正と比較してみていきましょう。

 

➀違和感が少ない

マウスピース矯正はワイヤー矯正よりもシンプルな装置のため、違和感が少ないのがメリットです。滑舌にもほぼ影響しません。

 

ただし、新しいマウスピースに交換する際は2~3日は圧迫感をおぼえる可能性もあるかもしれません。しかし、ワイヤーを口に固定するワイヤー矯正よりは違和感や痛みは少ないといえます。

 

また、マウスピース矯正は取り外せる時間もあるため、違和感を和らげるといった意味ではメリットといえます。

 

➁装置が目立ちにくい

マウスピース矯正の最大のメリットの一つは、目立ちにくい点です。装置が透明なため、ワイヤー矯正に比べると矯正に気づかれにくいのが特長といえます。

 

ちなみにワイヤー矯正の中にも、裏側にワイヤーを装着するなど目立ちにくい治療方法もあります。しかし裏側矯正は通常の表側矯正よりも高額で、かつ歯磨きもしづらいといったデメリットもありますので注意が必要です。

 

➂簡単に取り外しができる

マウスピースケースに入ったマウスピース

結婚式や会食など大事なイベント時に簡単に取り外せます。ワイヤー矯正の場合は固定式のため、外す際は、矯正歯科で1時間以上かけて行う必要があり、またつけ直しの費用がかかります。

 

ただし効果的な矯正治療をするためにも、イベント後はすぐにマウスピースを付けて、1日20時間以上は装着していきましょう。

 

まとめ

マウスピース矯正のデメリットについて、ワイヤー矯正との比較やメリットも交えてお伝えしていきました。現在はインビザラインなどのマウスピース矯正で全体的な治療が可能になったため、適用症例の判断ができる実績をもった矯正歯科医院へ相談にいきましょう。

 

大阪オルソは、難しい症例にも対応できる女性専用のマウスピース矯正歯科医院です。成人女性専門に特化し、感染予防対策として予約は完全貸切で受付しております。安心して治療していただくために滅菌対策も万全に行っているので、歯並びにお悩みの方はお気軽にご相談ください。

 

著者:谷木俊夫

Medical deduction医療費控除シミュレーション

dental loanデンタルローンについて