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歯科矯正をすると老ける?頬こけやほうれい線が目立つ原因を解説します

鏡を見て困り顔の女性

歯並びがきれいになれば、笑った顔が美しくなるイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。近年、見た目の理由から歯科矯正を希望する方が増えています。

 

しかし、歯科矯正を行うと抜歯などの行為によって鼻の下が伸びたり、ほうれい線が際立って見えたりすることがあります。特に出っ歯や八重歯などの矯正治療で起こりやすいと言われています。

 

本記事では歯科矯正を行ったとき、頬こけやほうれい線が目立つ原因を解説しますので参考にしてください。

 

「歯科矯正で老けた」と感じる理由は2パターンある

手鏡で口を見る女性

歯科矯正で老けたと感じる現象を説明する前に、まず歯科矯正をする理由から解説します。

 

矯正治療は主に歯並びや噛み合わせを良くして、見た目と機能を改善するために行われます。また、虫歯や歯周病を予防できるのもメリットです。これらの病気は進行すると歯を失うこともありますので、矯正治療は歯の健康を維持する上でも役立ちます。

 

また、噛み合わせがズレていると体のバランスにも大きな影響を与え、肩こり・頭痛・顎関節症・消化不良など様々な症状が現れることもあります。そのため、噛み合わせが合っていない方は歯科矯正をおすすめします。

 

しかし、見た目への変化が起こるリスクが気になる方もいるでしょう。
そこで、歯科矯正で老けた印象になる2つの原因をお伝えします。

 

➀ほうれい線が目立つようになった

歯科矯正でほうれい線が目立つようになるのは、出っ歯が矯正されるからです。出っ歯の状態では、通常皮膚が外側に引っ張られた状態になっています。

 

これが矯正によって出っ歯がなくなると、外側に引っ張られていた皮膚が内側へと戻ります。

 

出っ歯によって張っていた皮膚が緩むため、肌がたるみ、ほうれい線が濃くなったように見えてしまうことがあります。

 

➁頬がこけた

鏡を見て頬を気にする女性

また「矯正を終えたとたん、頬がこけてしまった」という声を聴くこともあります。矯正中は器具の違和感や噛みにくさから、食事をうまくとれない場合があります。また治療途中に噛み合わせの大きな変化から、しっかりと噛めなくなる場合もあります。

 

異物感や噛み合わせの急激な変化で咀嚼がしづらくなると、表情筋(唇を動かす筋肉)が衰えたり、また咬筋(噛む筋肉)が痩せてしまうので、頬がこけたようにみえるのです。

 

矯正治療を終えて、きちんと食事がとれるようになると、再び表情筋や咬筋が鍛えられて頬こけがなくなる方が多いです。

 

歯科矯正でほうれい線が目立つようになる理由

歯科医に相談する女性

歯列矯正を行うと顔の印象が大きく変わることがあります。特に女性では、ほうれい線が濃くなることを気にされる方もいらっしゃいます。

 

ではなぜ、歯列矯正を行うとほうれい線が濃くなるのでしょうか?主に3つの理由を解説してまいります。

 

➀出っ歯を矯正したから

歯科矯正で出っ歯を矯正する場合には、ほうれい線が濃くなることがあります。

 

出っ歯の方は前歯が飛び出した状態のため、上唇の皮膚がピンと張った状態になっています。歯科矯正を行うと張った皮膚がゆるみますので、鼻の下の皮膚が多少余った状態になります。

 

矯正によって余った皮膚が鼻の下の皮膚にある境界線を一層強調させるため、ほうれい線が濃くなったように見えるのです。
ほうれい線が濃くならない程度に前歯の移動量をコントロールすることが重要となります。

 

➁抜歯を行ったから

歯科医が歯の模型を使って患者に説明する様子

八重歯の矯正治療では、八重歯を内側に動かすスペースを確保するために、隣にある歯を抜くことがあります。抜歯してできたスペースに八重歯を移動することで歯並びや噛み合わせを改善します。

八重歯がある状態では上唇の皮膚が張り出していますが、矯正で八重歯が本来の位置に移動することで一時的に皮膚に緩みが生じます。これまで張っていた皮膚がたるんで、ほうれい線が濃くなったように見えるのです。

 

➂表情筋が弱くなったから

女医が患者の口内チェックをする様子

頬の周りにある表情筋が衰えると、頬の肌がたるむため、ほうれい線が目立って見えるケースがあります。

 

矯正治療中は、装置を付けているため口元の動きが制限されます。口や頬の筋肉を自由に動かすことができないので、治療中は表情筋が衰える場合があります。

 

また、矯正治療中は治療の装置が目に付くことを恐れて、治療前よりも口を開かなくなる人も多くいます。矯正治療後には、筋肉が衰え、肌がたるみほうれい線が目立つかもしれません。

 

しかし矯正治療後に自由に口元を動かすようになれば、表情筋は再び鍛えられるため、ほうれい線も徐々に目立たなくなってくるでしょう。

 

歯科矯正で頬こけが起こる理由

歯科医が説明する様子

歯科矯正でE-line(エステティックライン)がすっきりすることがあります。それにより頬がこけたように見えることがありますが、どうして頬こけが起こるのか解説します。

 

➀エラ張りが改善されるから

噛み合わせが深い状態(ディープバイト)の方は、食べ物を噛む筋肉が強い傾向があり、お顔が短くエラが張っています。歯科矯正でディープバイトを改善すれば、奥歯の位置が高くなり、また咬筋のバランスが良くなりエラが目立たなくなります。

 

エラ張りが改善されると面長になった印象を与えますので、頬がこけたように見られるのです。

 

➁矯正中に咀嚼ができないから

矯正治療中は、器具が口の中にあるため、食事するときに咀嚼が上手くできません。咀嚼回数が少なくなると、頬の周りの筋肉が衰え、頬がこけてしまいます。

 

矯正治療が終わり、いつも通りの食事を行えるようになったら、筋肉はもとに戻り頬こけは無くなる可能性が高いです。

 

歯科矯正でほうれい線が消える事例もある

微笑む女性

逆に矯正してからほうれい線が消えたという方もいます。

 

口元の悩みが解消されれば、見た目に自信が持てるでしょう。そのため積極的に人前に出て会話でき、その結果表情が豊かになり筋肉が鍛えられるのです。

 

ほうれい線が歯科矯正で消えた理由は、噛み合わせが良くなって悩んでいたフェイスラインに対するコンプレックスから解放され、自信が得たことが大きいといえるでしょう。

 

老け顔以外にも歯科矯正によって顔が変化する可能性がある

歯を指さす女性の口元

歯科矯正は老け顔に見える以外にも、顔が変化したように見えるケースもあります。特に矯正治療中を始めた直後の見慣れていない時期は、顔の変化が気になるかもしれません。

 

特に治療中は歯が移動している最中であるため、表情がこわばり筋肉も鍛えられず大きく顔が変化する可能性があり、違和感を覚えることがあります。それでは、具体的にどういった顔の変化があるのか解説します。

 

➀顔が長くなる

出っ歯やディープバイト(上下の歯の重なりが大きい状態)の矯正治療を行うと、顔が長く見えることがあります。

出っ歯の治療ではE-line(エステティックライン)を整え横顔の印象を改善することで、正面から見た際に鼻の下が長く見えることがあります。
ディープバイトの治療では、奥歯が挺出することで下顎骨の位置が下方向に移動することがその原因です。

 

➁歯茎が出る

矯正後に歯茎が1〜2mmほど見えるようになったという方もいます。

 

歯列矯正では歯を並べるスペースを作る際に、抜歯しないで歯列弓を拡大する矯正があります。その際、過度に拡大させると歯茎が目立つようになることがあります。

 

➂歯に隙間ができる

歯に隙間ができる原因は、歯の形が樽状や三角形の形態をしているからです。長方形であれば歯を綺麗に整列しても隙間はできませんが、樽状や三角形の歯の場合には歯の頭の部分に隙間はなくても歯の根元の部分には隙間ができてしまいます。この隙間はブラックトライアングルと呼ばれ、歯の形態修正である程度改善することができます。

 

またリテーナーの使用時間が短すぎると、歯と歯の間に隙間ができやすいです。抜歯を伴う治療ではリテーナーを適切に使用しなければ抜歯して隙間を閉じた部分に後戻りによる隙間が生じる可能性があります。リテーナーは指示通りしっかりと使うことが大切です。

 

歯科矯正で老け顔にならないためには矯正歯科選びが重要

患者に説明する歯科衛生士

歯科矯正で老け顔にならないためには、矯正歯科の診断と治療計画が非常に重要です。

前歯を過度に後方移動することや、奥歯の過度の挺出を行ってしまうと、ほうれい線が濃くなったり頬がこけたりすることになります。このようなことが起こらないように細心の注意をはらって治療をしてくれる医院であれば安心して治療を受けられます。
また歯並びや噛み合わせの治療だけでなく、舌癖などの習癖を正すトレーニングプログラムを紹介してくれる矯正歯科医院ならばさらに安心です。

 

歯科矯正が終了しても、保定期間の経過観察は欠かせません。保定観察をしっかりとおこなっている歯科医院なら、後戻りの兆候が見られればすぐに適切な処置を行うなどアフターフォローも充実しています。

 

特に女性の方で矯正治療を検討しているなら、女性の治療実績の多い矯正歯科医院がおすすめです。何故なら、女性を対象とした症例数が多く、噛み合わせだけではなく口元の印象にこだわって治療を行ってくれる可能性が高いからです。これらの条件を満たす矯正歯科医院を探すことが重要となります。

 

まとめ

本記事では、歯科矯正をすると頬こけやほうれい線が目立つ原因を解説しました。
歯科矯正後にほうれい線が目立つことがあるのは、歯によって唇が強く押し出されていたものが、押されなくなると皮膚にたるみが生じるからです。頬こけは噛み合わせを改善する過程で表情筋や咬筋が弱くなることと、下顎骨の位置が変化するからです。

 

歯列矯正にはこれらのリスクはありますが、噛み合わせの問題は放置しておくと歯を失うことになることもあるため、歯科矯正は必要な対処方法といえます。

 

歯科矯正後にどの程度頬こけやほうれい線が濃くなる可能性があるのか、どのような治療を行えば理想的なフェイスラインにできるのか一緒に考え、提案してくれるクリニックで矯正を受けることをおすすめします。

 

大阪オルソでは一人ひとり丁寧なカウンセリングとオーダーメイドの治療を行い、治療後の老け顔対策など口元の見た目にもこだわって治療計画を立ててまいります。
歯並びや口元の印象にお悩みの方は大阪オルソにお気軽にご相談ください。

 

著者:谷木俊夫

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